雑記やら妄想の切れ端やら好き勝手やってみた、結果と言う名の残留思念。
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ディランディ一家生存+CB所属―の、捏造万歳。
内訳的には肉食系女子のママと草食系男子のパパ。
長男//お母んスナイパー(狙撃手)二ール、次男//へたれガンナー(早撃ち)ライルと来れば、長女//エイミーはヅカ系女子で、アーチャー(射手―正確には狩人)だろう?
***異論は胸の内で昇華してやって下さい…orz***
上記、設定でやらかしたネタ。
今回は始終ライルとエイミーのターン!!
二期20~21話派生で、正直ライアニュ派――そしてライル好き―には一部至極申し訳ない仕様になってしまった。
個人としては嫌いではないですけれども、諸手を挙げて推奨も出来ないので。
ご了承頂きたく思います。
*******************************************************
暗闇の中、立て続けに二発。
実兄の頬を張った妹は、それはそれは冷ややかな翡翠色の瞳をしていた。
「―――どうしてか・・ぐらいは解るでしょう?ライル兄さん」
「・・・・・・エイミー」
対する兄―ライルから返ってきたのは、妹に負けず劣らず冷やかな視線だ。
張った利き腕を降ろしたエイミーは、その様に己の行為の効果を知る。
どうやらこの馬鹿兄にはもう少お仕置きが必要なようだ。
「………お前に、お前に何が解るって言うんだ!!」
「解る訳ないでしょ?ほんっと、何処まで馬鹿なのライル兄さんったら。」
大音量の怒声にも顔のすぐ脇を通過して行ったヘルメットにも一切の動揺を持たず、エイミーは淡々と兄を詰る。
単なる子供の癇癪が大人に通用する筈も無い―とでも言うように。
実際感傷でしかないではないか。
一度はCB外の生活を選択し、その後諸事情によりとはいえ舞い戻ってきた――ならば、それなり世間の荒波とやらに揉まれてきただろうのに、この甘ったれ具合はどう言う事だ。
もう一人の兄の身勝手具合も大概だが、此方も此方だ。
しかし、今エイミーが怒りたいのは妹としてではなく、CBの―トレミーメンバーの一員としてである。
「……別に好いた惚れたは如何だっていいの。ええ、妹としてライル兄さんに愛する人が出来たのは喜ばしいことだったわ」
冷え切った声音でエイミーは告げる。
残酷にも過去形なのは兄の恋人―アニュー・リターナーが死んだからだ。
それも、つい先ほど――仲間の一人、ガンダムマイスター刹那・F・セイエイの手によって、である。
彼女はイノベイターであり、刃を突きつけてきた敵でもあったのだ。
「けれどね、ライル兄さん……いいえ、『ロックオン』。忘れているの?どうして忘れていられるの?ココは何処?戦場よね?じゃあ、私たちは何の為にココに居るの?世界の『歪み』―イノベイターの支配から、世界そのものを奪還し正常に戻す為。そうでしょう?」
淡々と目的を述べるエイミーは、次の瞬間廊下の壁に叩き付けれた。
生理的反応として衝撃に顔を歪めたが彼女は痛みからの呻きは洩らさず、引き続き兄を、ライルを見つめ続ける。
ライルはエイミーの胸元を肘から下の部分できつく壁に押し続けているが、その表情はうつむいている為判断のしようがない。
元々エイミーには追撃を休める気なぞ毛頭ないので、別段どうでもよい事柄である。
「言ったでしょう――好いた惚れたは如何でも良いって。そして、戦場だとも。理解出来てるのかしら?職務を全う出来ない兵士は何処にも要らないの」
「―――俺は『ロックオン・ストラトス』だっ!!」
「寝言を言わないで、貴方は『ライル・ディランディ』だわ。甘ったれで、都合の悪いことは全部逃げて、誰かに委ねて、美味しい所だけ欲しがって、その癖文句と上っ面だけは一人前の私の兄さん―『ライル・ディランディ』よ」
エイミーが断言した刹那、ライルの身体が強張った。
其れは紛れもなく、真実であったからだ。
先の戦闘は元より、今までの戦闘も―彼は『ロックオン・ストラトス』の皮を被った『ライル・ディランディ』でしかなかった。
他の誰を欺けようとも血を分けた妹は騙せなかったのだ。
「二ール兄さんの覚悟もしてきたことも全部丸呑みしてそのまんま。昇華も出来ず宙ぶらりんのまんま。託された『名』の重みを考えもせずに受け取った振りだけして…。本当、何処まで駄目なヒトなのかしら」
一旦言葉を区切ったエイミーは其処で凍りついていた美貌を綻ばせた。
「――嗚呼、そうね。アニューさんの男の趣味も随分宜しかったみたいだし、お似合いよね?」
「アニューを、死んだアニューを馬鹿にするな…っ!!」
「させてるのは何処の誰?―――貴方でしょう?『ライル兄さん』」
強まるライルの拘束と、かち合った二対の翡翠の温度は灼熱と絶対零度。
視線上の空気を融解させつつ、緊張ばかりが募っていく。
「これ以上、貴方が『ライル・ディランディ』の侭ならば、私は覚悟を決めねばならない。」
「―――――何を、だ」
「この状況で、話題で解らないの?」
「・・・・・・だから、何をだと聞いている!!」
「本当に馬鹿なヒト。救いようがないわ」
掛けられている圧迫は随分なものだろうに優雅にため息すら吐いてみせるエイミーに、悲恋の余韻と煽られた激情そのものに酔っている真っ最中のライルは苛立ちを隠せず、締め上げる力を強めていく。
「応えろ、エイミー!!」
「貴方の役はもう終わり。次の補給の際にでも地上へ送って貰いなさいな。そのままアニューさんの俤を後生大事に抱いて、この先ずーっと、みっともなく生きて行くがいいわ。」
「―――――私が『ロックオン・ストラトス』よ」
厳かに、誇らしげですらあるエイミーの宣言に、軋んでいた空気が瓦解する。
ライルの切れ長な双眸が大きく見開かれ、小さく呼気を詰めた。
二度、三度と後進した為、妹を拘束していた腕が緩む。
「・・・・・・な、何馬鹿言ってんだっ。ケルディムのバイオメトリクスは…」
「ライル兄さん。馬鹿なだけじゃ足りなくて、お頭の出来すら悪くなったの?私が何年『此処』に居ると―?」
即座に顔を青褪めさせたライルを、最早冷たさすら無くなった翡翠が射た。
冷静になって考えてみれば解りそうなものだが、平常心と思考力を根こそぎ奪われている状態のライルには真偽の判断は下し難かった。
「じゃあ、何故俺を引き込んだ…っ?!最初から、お前が兄さんの後を継げば良かっただろう!!」
「愚物」
返されたのはたった一言に凝縮された侮蔑。
かっとなったライルがエイミーを睨めば、エイミーも似たように怒りを秘めて睨み返していた。
「何処までも、何処までも駄目な上に馬鹿なヒト。其れくらい自分で考えて答えを作り上げてご覧なさい。何でもかんでも奪えて、与えて貰えると思ったら大間違いよ」
言いたいことは言い切ったとエイミーは、項垂れたライルを見もせずに立ち去っていった。
遠ざかる靴音だけが静寂を揺らし、暗闇は以前明るさを押し退けていた。
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立ちたい舞台にも立てず、裏方で無い出番を待ち続ける哀れな役者を貴方は知っているとでも言うの?
暗闇の中、立て続けに二発。
実兄の頬を張った妹は、それはそれは冷ややかな翡翠色の瞳をしていた。
「―――どうしてか・・ぐらいは解るでしょう?ライル兄さん」
「・・・・・・エイミー」
対する兄―ライルから返ってきたのは、妹に負けず劣らず冷やかな視線だ。
張った利き腕を降ろしたエイミーは、その様に己の行為の効果を知る。
どうやらこの馬鹿兄にはもう少お仕置きが必要なようだ。
「………お前に、お前に何が解るって言うんだ!!」
「解る訳ないでしょ?ほんっと、何処まで馬鹿なのライル兄さんったら。」
大音量の怒声にも顔のすぐ脇を通過して行ったヘルメットにも一切の動揺を持たず、エイミーは淡々と兄を詰る。
単なる子供の癇癪が大人に通用する筈も無い―とでも言うように。
実際感傷でしかないではないか。
一度はCB外の生活を選択し、その後諸事情によりとはいえ舞い戻ってきた――ならば、それなり世間の荒波とやらに揉まれてきただろうのに、この甘ったれ具合はどう言う事だ。
もう一人の兄の身勝手具合も大概だが、此方も此方だ。
しかし、今エイミーが怒りたいのは妹としてではなく、CBの―トレミーメンバーの一員としてである。
「……別に好いた惚れたは如何だっていいの。ええ、妹としてライル兄さんに愛する人が出来たのは喜ばしいことだったわ」
冷え切った声音でエイミーは告げる。
残酷にも過去形なのは兄の恋人―アニュー・リターナーが死んだからだ。
それも、つい先ほど――仲間の一人、ガンダムマイスター刹那・F・セイエイの手によって、である。
彼女はイノベイターであり、刃を突きつけてきた敵でもあったのだ。
「けれどね、ライル兄さん……いいえ、『ロックオン』。忘れているの?どうして忘れていられるの?ココは何処?戦場よね?じゃあ、私たちは何の為にココに居るの?世界の『歪み』―イノベイターの支配から、世界そのものを奪還し正常に戻す為。そうでしょう?」
淡々と目的を述べるエイミーは、次の瞬間廊下の壁に叩き付けれた。
生理的反応として衝撃に顔を歪めたが彼女は痛みからの呻きは洩らさず、引き続き兄を、ライルを見つめ続ける。
ライルはエイミーの胸元を肘から下の部分できつく壁に押し続けているが、その表情はうつむいている為判断のしようがない。
元々エイミーには追撃を休める気なぞ毛頭ないので、別段どうでもよい事柄である。
「言ったでしょう――好いた惚れたは如何でも良いって。そして、戦場だとも。理解出来てるのかしら?職務を全う出来ない兵士は何処にも要らないの」
「―――俺は『ロックオン・ストラトス』だっ!!」
「寝言を言わないで、貴方は『ライル・ディランディ』だわ。甘ったれで、都合の悪いことは全部逃げて、誰かに委ねて、美味しい所だけ欲しがって、その癖文句と上っ面だけは一人前の私の兄さん―『ライル・ディランディ』よ」
エイミーが断言した刹那、ライルの身体が強張った。
其れは紛れもなく、真実であったからだ。
先の戦闘は元より、今までの戦闘も―彼は『ロックオン・ストラトス』の皮を被った『ライル・ディランディ』でしかなかった。
他の誰を欺けようとも血を分けた妹は騙せなかったのだ。
「二ール兄さんの覚悟もしてきたことも全部丸呑みしてそのまんま。昇華も出来ず宙ぶらりんのまんま。託された『名』の重みを考えもせずに受け取った振りだけして…。本当、何処まで駄目なヒトなのかしら」
一旦言葉を区切ったエイミーは其処で凍りついていた美貌を綻ばせた。
「――嗚呼、そうね。アニューさんの男の趣味も随分宜しかったみたいだし、お似合いよね?」
「アニューを、死んだアニューを馬鹿にするな…っ!!」
「させてるのは何処の誰?―――貴方でしょう?『ライル兄さん』」
強まるライルの拘束と、かち合った二対の翡翠の温度は灼熱と絶対零度。
視線上の空気を融解させつつ、緊張ばかりが募っていく。
「これ以上、貴方が『ライル・ディランディ』の侭ならば、私は覚悟を決めねばならない。」
「―――――何を、だ」
「この状況で、話題で解らないの?」
「・・・・・・だから、何をだと聞いている!!」
「本当に馬鹿なヒト。救いようがないわ」
掛けられている圧迫は随分なものだろうに優雅にため息すら吐いてみせるエイミーに、悲恋の余韻と煽られた激情そのものに酔っている真っ最中のライルは苛立ちを隠せず、締め上げる力を強めていく。
「応えろ、エイミー!!」
「貴方の役はもう終わり。次の補給の際にでも地上へ送って貰いなさいな。そのままアニューさんの俤を後生大事に抱いて、この先ずーっと、みっともなく生きて行くがいいわ。」
「―――――私が『ロックオン・ストラトス』よ」
厳かに、誇らしげですらあるエイミーの宣言に、軋んでいた空気が瓦解する。
ライルの切れ長な双眸が大きく見開かれ、小さく呼気を詰めた。
二度、三度と後進した為、妹を拘束していた腕が緩む。
「・・・・・・な、何馬鹿言ってんだっ。ケルディムのバイオメトリクスは…」
「ライル兄さん。馬鹿なだけじゃ足りなくて、お頭の出来すら悪くなったの?私が何年『此処』に居ると―?」
即座に顔を青褪めさせたライルを、最早冷たさすら無くなった翡翠が射た。
冷静になって考えてみれば解りそうなものだが、平常心と思考力を根こそぎ奪われている状態のライルには真偽の判断は下し難かった。
「じゃあ、何故俺を引き込んだ…っ?!最初から、お前が兄さんの後を継げば良かっただろう!!」
「愚物」
返されたのはたった一言に凝縮された侮蔑。
かっとなったライルがエイミーを睨めば、エイミーも似たように怒りを秘めて睨み返していた。
「何処までも、何処までも駄目な上に馬鹿なヒト。其れくらい自分で考えて答えを作り上げてご覧なさい。何でもかんでも奪えて、与えて貰えると思ったら大間違いよ」
言いたいことは言い切ったとエイミーは、項垂れたライルを見もせずに立ち去っていった。
遠ざかる靴音だけが静寂を揺らし、暗闇は以前明るさを押し退けていた。
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立ちたい舞台にも立てず、裏方で無い出番を待ち続ける哀れな役者を貴方は知っているとでも言うの?
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